ITトレンドから見る流行の傾向と今後ITエンジニアとして身につけるべき技術まとめ

IT業界は「ドッグイヤー」と呼ばれ、技術の進歩速度が犬の成長のように早く進むと言われます。

確かにその通り。一例ですが、携帯電話の進歩を振り返ってみましょうか。

30代の方なら、つい最近までガラケーを使っていたのを懐かしく思い出したり「パケ死」の苦い思いでがあるのでは?

40代ならや「フレッツISDN」や「テレホーダイ」という言葉を聞くと反応するかたも多いのでは?

それだけ技術の進歩が早いIT業界ですが、その時代にあったIT業界トレンド(流行)がどんどん生まれて、瞬く間にブラッシュアップされていきます。

そしてITトレンドに合わせて最先端の技術を身につけることは、ITエンジニアとして生き残る大きな武器!

ここでは、いままでの流行りを振り返りながら、今後流行する時代の流れについてを見ていきましょう。

ITのトレンドとは?

IT界というのは、常に時代の先端を歩んでいる世界と言えるでしょう。

今考えると当時は何やってたんだろう?とか色々不便だったな、もっとこうなればいいのにな。と思っていたことが実用化されていることもよくある話。

今は最新のスマホでラインやアプリは当たり前。テレビ電話で互いの顔を見ながら会話するのも普通となりました。

携帯電話でテレビ電話ですよ。バブリーなころからしたら、想像もできない世界でしょう。

IT業者は、新しい流行が生まれるたびにトレンドに乗るべく、新しい技術やシステムを学び開発し、ユーザーに提案します。

IT技術とITビジネスにおけるトレンドとなるキーワードを見ていきましょう。

ITスキルにおけるトレンド

IT技術のトレンドキーワードを時代別に挙げてみます。
 クライアント・サーバ・システム(1980年代)
 分散開発環境(1990年代)
 Java(1990年代)
 NET(2000年代)
 Linux(2000年代)
 XML(2005年前後)
 SNS(2005年前後)
 ソフトウェアサービス(2005年前後)
 クラウドコンピューティング(2005年前後)
 サービス指向アーキテクチャ(30A)(2005年前後)
 ソリッドステートドライブ(SSD)(2010年以降)
 NoSQL(2010年以降)
 分散処理エンジン(2010年以降)

これらのトレンドは、すべて、システム開発の生産性やシステムの利便性、システムの機能の向上を目的として誕生したものばかりです。

少し前までは、これら新しいトレンドキーワードは主に、IT業者と企業の情報システム部門のエンジニアたちによって利用されてきました。

ところが、2005年以降、IT技術とITビジネスが直結するようになり、IT技術のトレンドキーワードイコールITビジネス関連キーワードという流れになりました。

ITビジネスにおけるトレンドキーワード

ITビジネスにおける年代別トレンドキーワードはおよそ下記のとおりです。
 意思決定支援システム(DSS)(1980年代)
 戦略情報システム(SiS)(1980年代前半)
 SCM(1980年代後半)
 CRM(1980年代後半)
 ERP(1980年代後半)
 ASP(2000年代)
 EAI(2000年代)
 BPR(2005年前後)
 ITガバナンス(2005年前後)
 ビッグデータ(2010年代)
 IoT(2010年代)

どのトレンドキーワードも、IT業者と企業の経営陣が中心となり、経営効率や業務効率アップを目指して取り入れられたものです。

ただし、いくらよい技術でも、会社に合わないシステムを導入すると稼働性の悪いコンピュータシステムになってしまいますので、やはり専門のIT業者に任せるのがベストです。

最近ではマイナンバーにまつわるシステムの大規模プロジェクト案件があり、IT業者にとってはよいチャンスです。

IT業界の新しい事業展開とは?

システム開発にオープンソースを活用する

少し前までは、限られたエンジニアだけが使っていたオープンソースソフトウェアですが、近年、データベースやミドルウェア、OS、開発環境にオープンソースソフトウェアが活用され始めています。

オープンソースソフトウェアが広く一般に活用されるようになった理由はいくつかあります。

まず、システム開発の場面において、ハードウェアの価格がぐんと下がり、同様にソフトウェアにかける費用ももっと安くできないか、という目で見られるようになったからです。

たとえば、MySQLやLinux、Apacheといったオープンソースソフトは、有料ソフトと比較して遜色ない機能を持っています。

次に、オープンソースソフトウェアの開発はコミュニティベースでおこなわれるため、世界中の人々からトラブルやバグなどの情報が得られることが挙げられます。

また、ソースコードの公開により、ユーザーそれぞれの使い勝手に合わせてスピーディにより快適にシステムが柔軟な変化をします。

こうした理由から、現在ではIT業者の多くが、社員のオープンソースプロジェクト参加を勧めています。

仮想化技術を取り入れる

仮想化技術とは、サーバやネットワーク、メモリ、ストレージといったシステム構成要素の境界線をなくし、柔軟に分割や統合できるようにする技術のことです。

従来、システムはいくつかのハードウェアと基本ソフト、アプリケーションから成り、業務ごとにそれぞれのインフラが割り当てられるのが一般的でした。

ところが複数のサーバ上に仮想レイヤーを設置する仮想化技術を用いれば、それぞれ別々のシステムがまるでひとつのサーバ上で動いているようなことが実現されます。

たとえば、処理能力やシステム稼働ピークタイムの異なる複数のシステムを保持している企業が仮想化技術を取り入れれば、サーバ台数の自由な増減やシステムの安定稼働を実現できます。

仮想化技術のメリットは、まさにコスト削減および状況に合わせたインフラ構築が可能となることで、多くの企業で取り入れられ始めています。

運用管理をアウトソーシング化する

IT業者の主な業務と言うとシステム開発を思い浮かべますが、近年、システムの運用管理業務に力を入れるIT業者が増加の傾向にあります。

IT業者がシステムの運用管理業務に力を注ぐ理由は大きく3つです。

  • 単純にシステム開発案件が減少したこと
  • 運用管理をしているとそこから新たなシステム開発案件を受注できる可能性があること
  • 安定収益が得られること

さらには、システムの運用管理だけではなく、コールセンターや経理業務、サーバ保守といった業務まで引き受けるケースも多くなっています。

たとえばIT系コンサルティングファームはいち早く上記のようなアウトソーシング業務をおこなっていて、相手ユーザー企業の業務を調査分析し、業務の効率化を図っています。

ときには海外スタッフを活用するなどして品質を保持しつつコスト削減を実現し、ユーザー企業に喜ばれているようです。

オープンソースのライセンス

オープンソースソフトウェアの最大の特徴は、広く一般にソースコードを公開していることです。

このソースコードの公開、すなわちソースの修正や再配布については、さまざまなライセンス形態が存在します。

なかでも代表的な下記の3系について詳しく見て見ましょう。

  • CPL系
  • BSD系
  • MPL系

CPL系

CPL系ライセンスには、GNU、CPLがあり、オープンソースソフトウェアのなかでも一番厳密なルールを持ちます。

CPL系では、ソースコードの公開や自由な活用ができます。

ただし、CPL系を利用したソフトウェアやCPL系ソースコードを使ったソフトウェアの再配布の際には、ほかのユーザーが自由に利用できるべくすべてのソースコードの公開が必須です。

CPL系は、LinuxをはじめとするUNIX系OSで活用されていて、全体のおよそ70%を占めています。

BSD系

BSD系ライセンスの代表的なものはMIT Licenseです。

BSD系ライセンスは、オープンソースソフトウェアのなかでも一番ルールのゆるいライセンスと言えます。

BSD系ソフトを活用したソフトウェアやBSD系ソースコードを用いたソフトウェアの再配布には、著作権の表示だけあれば、そのほかのルールはとくにありません。

ということは、BSD系ライセンスのソースコードを活用したソフトウェアを作成すれば、ソースコードを非公開にできますし、商用のソフトウェアとしての販売も可能です。

BSD系ライセンスは、

  • PHP(プログラミング言語)
  • Pyson(プログラミング言語)
  • UNIX系OS(Free BSD)
  • Zope(CMS)

などで活用されています。

MPL系

MPL系ライセンスは、CPL系とBSD系のちょうど中間と言えるライセンスです。

MPL系を使ったソフトウェアの再配布の際は、ファイル単位で利用した部分のみの公開というのがルールで、それ以外の部分については問われません。

IT業界の新しい競合

Saas(ソフトウェアサービス)とは?

現在、ウェブ上にアクセスするだけでソフトウェアを利用できるSaas(ソフトウェアサービス)が急速に成長を遂げ、従来のパッケージソフトの競合となっています。

Saas(ソフトウェアサービス)のメリットは、ウェブに繋げるだけで誰もが簡単に使えるため端末などを選ばないこと、バージョンアップの手間なしに、いつも最新バージョンを利用できることです。

ネットスケープのマーク・アンドリーセンは、早くから、こうしたSaas(ソフトウェアサービス)の可能性を予測し、さらにグーグルがSaas(ソフトウェアサービス)への流れをぐんと加速させました。

グーグルでは、早い段階で、ワープロ・メール・表計算・スケジュール管理といったソフトウェアをSaas(ソフトウェアサービス)として、個人や企業に提供し始めました。

グーグルを追うようにして、セールスフォースがCRMやSFAといったSaas(ソフトウェアサービス)を提供しはじめ、その後、日本企業でも会計サービスの分野などでSaas(ソフトウェアサービス)が広がりを見せています。

Saas(ソフトウェアサービス)は業務システムにも活用

Saas(ソフトウェアサービス)は、近年、システム開発にも取り入れられています。

たとえば、Amazon Web Ser vice(AWS・アマゾン)では、ハードウェア、仮想化されたウェブサーバOSや実行環境などにSaas(ソフトウェアサービス)が使われています。

Saas(ソフトウェアサービス)を活用したAmazon Web Ser vice(AWS・アマゾン)には、

  • 必要なだけのインフラを数分で調達できる
  • 使った分だけ支払う重量化税制の料金システム
  • 事前の設定によりサーバ負荷時などには自動でスケールアップ

といったメリットがあります。

Amazon Web Ser vice(AWS・アマゾン)のようなクラウドサービスは、パブリッククラウドと呼ばれ、すべての個人や企業に開放され安価な料金システムが魅力となっています。

一方日本のIT企業では、特定のユーザー企業に向けたクラウドサービスの展開に力を入れています。こうしたクラウドサービスのことを、プライベートクラウドと呼びます。

IT系フアームがIT業者の競合になりつつある

近年、IT業者と業務・IT系コンサルティングファームが、コンサルティングや要件定義業務において競合しています。

業務・IT系コンサルティングファームはもともと、アメリカの大手会計事務所コンサルティングサービス部門から生まれたもので、コンピューター技術の躍進の流れに乗って、会計業務を担うようになりました。

一方、IT業者は、会計以外の業務や大きなシステム開発や運用ノウハウを持ち、ちょうど登場したERP案件を担うべく、コンサルティングを専門におこなう会社を設立。

さまざまな業務を統合的に管理する上流業務に力を注ぎはじめました。

IT業者を追うように、IT系コンサルティングファームもまた専門会社を設立し、今日、両者はさまざまなシーンで競合しています。

クラウドコンピューティングとは?

現在提供されているクラウドコンピューティングは、大きく下記の3タイプに分けられます。

  • Saas
  • Paas
  • Iaas

では、クラウドコンピューティングが生まれた背景および各サービスの特徴を見ていきましょう。

クラウドコンピューティングが生まれた背景

クラウドコンピューティングの「クラウド」とは「雲」を意味する言葉です。

各ユーザーがコンピューターを利用する際、ウェブ上に置かれたサービスを利用すればよいという特徴に由来し、グーグルCEOであるエリック・シュミットが名付けたと言われています。

クラウドコンピューティングの実現は、ネットワーク回線の高速化や仮想化技術の発達の賜物であり、サーバーが保持する膨大なデータを一般ユーザーが利用できるようになりました。

ユーザーにとっては、必要なときに必要なだけ低コストで利用でき、常に最新の状態でサービスを活用できるというメリットがあります。

クラウドコンピューティングの形態

アメリカを中心に、次々と生み出されるクラウドコンピューティングサービス。大きく下記の3つに分類され、どこまでを自前で用意するかが違ってきます。

  • Saas:OS・実行環境・ハードウェア・アプリケーションすべてを提供
  • Paas:OS・実行環境・ハードウェアを提供、アプリケーションは自前
  • Iaas:ハードウェアを提供、OS・実行環境・アプリケーションは自前

クラウドコンピューティングサービスのメリットとしては、システムの開発スピードアップやコストダウンが挙げられ、アメリカのベンチャー企業を中心に広まり、近年では日本でも多く採用されはじめています。

ただし、クラウドコンピューティングサービスには、システム障害の可能性がある、システム開発の自由度が減少する、情報漏洩リスクがある、というデメリットもあり、導入を避ける企業もあるようです。

IT業界が直面する新たな問題

ITエンジニアの不足

近年、ITエンジニアの人材不足が深刻です。大規模プロジェクトが予定されているのにエンジニアが足りない2015年問題・2016年問題・2020年問題に直面しており、数万人単位のITエンジニアが不足すると言われています。

まず、2015年の大規模プロジェクトとしては、マイナンバー制度関連のシステム開発・みずほ銀行の勘定システム統合、日本郵政グループのシステム再構築などが挙げられ、どのプロジェクトも数千人規模のエンジニアが必要です。

2020年には東京オリンピックを控えており、新たなシステム開発の発生が予見できることから、現在、ITエンジニアの求人は全職種のなかでもトップです。

IPAの調査では、とくに300以下の下請け中小零細企業の90%以上が人材不足に悩んでいて、深刻な問題となっています。

オフショア開発における人材育成

システム開発や運用管理を海外の子会社などに委託することをオフショア開発と呼び、現在では一般的な流れのひとつとなっています。

日本のオフショア先としては、インドやベトナム、中国が挙げられるのですが、日本企業のオフショア開発はプロジェクト失敗に終わることが少なくありません。

日本のオフショア開発失敗の要因は、日本と海外エンジニアの意思疎通がうまくできていないことです。

日本企業は、自国エンジニアへのものと同様の設計書や仕様書で業務を委託するのですが、それでは海外エンジニアには不十分。

設計書や仕様書をうまく解釈できず、あいまいなままシステム開発を進めた結果、プロジェクトが失敗に終わるというわけです。

こうした過去の失敗をもとに、現在急ピッチで、発注元の日本エンジニア、発注先の海外エンジニアの人材育成がおこなわれています。

この際重宝されるのが、システムだけでなく言語を巧みに操ることのできるエンジニアなのですが、優秀な人材はどこでも引っ張りだこでなかなか会社に定着しないという悩みがあるようです。

業務システムとスマートフォン・タブレット連携に必要なスキル

最近では、業務システムとスマートフォンやタブレットの連携を希望するユーザー企業が増えています。

スマートフォンやタブレットは、外出先でのデータ閲覧やアプリケーションのインストールなどとても便利なツールであり、業務システムと連携できれば、仕事の効率化に繋がります。

業務システムとスマートフォン・タブレットを連携させるためには、何より端末管理とセキュリティ対策が必須になります。

またもうひとつの側面として、スマートフォンやタブレットに特化したアプリケーションの開発は、既存の業務システムの開発とはまた違ったスキルやデザイン技術が必要となります。

2014年にIBMとアップルがモバイル分野での提携を果たしたように、これからは従来の型にはまらない提携や協力体制を取ることで、スマートフォンやタブレットのシステム開発に取り組むべきでしょう。

ITSS(ITスキル標準)とCMMI(組織成熟度基準)とは?

IT業界の躍進にはITエンジニアの存在が必要不可欠で、優秀な人材育成を目標としてさまざまな取り組みがなされています。

人材育成や組織育成には、ITSS(ITスキル標準)とCMMI(組織成熟度基準)と言う一定の基準が設けられています。

ITSS(ITスキル標準)

ITSS(ITスキル標準)は、経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が定めた、IT業界で働く人材の育成評価基準であり、下記の職種を勘案したものです。

  • ITストラテジスト
  • システムアーキテクト
  • プロジェクトマネージャ
  • ネツトワークスペシャリスト
  • データベーススペシャリスト
  • エンベデッドシステムスペシャリスト
  • 情報セキュリティスペシャリスト
  • ITサービスマネージャー
  • システム監査技術者

それぞれの職種ごとにレベル1から7のスキルレベルを定め、ITエンジニアのキャリアマップ指針の役割を担っています。なお、スキルレベルは、情報処理技術者試験にも対応しています。

CMMI

CMMIとは、IT業界のISOとも呼べる指標で、もともとアメリカのカーネギーメロン大学のソフトウェア開発組織のプロセス改善の基準でした。

ソフトウェア開発をおこなう場面において、進捗具合や成果が目に見える形で文書化されているかどうかを、下記の5段階で分類します。

  • CMMI1:何も管理していない
  • CMMI2:管理されている
  • CMMI3:定義されている
  • CMMI4:定量的に管理されている
  • CMMI5:最適化されている

CMMI3以上なら、一定品質のソフトウェア開発のコストと期間をきちんと見積もることのできる企業、CMMI4以上なら、定量的にきちんと管理されている企業と考えられます。

とくに、オフショア開発の場面では、受託企業にCMMI3以上を求められるケースが増えていて、CMMI5を取得する企業も。日本でも、CMMI基準にのっとって業務を進める企業が増加しています。